Maryam
IHS BETHLEHEM CHURCH ・ 非営利プロジェクト
マルヤムMARYAM ─ まだ名のない星をさがして
マルヤムは、まだ誰も見つけていない小さな天体を空にさがすプロジェクトです。小惑星や彗星。小さく、暗く、動いているもの。
これは商売ではありません。空を見上げることを、祈りとして続ける教会の仕事です。
これは何か
この仕事には二つの側面があります。一つはソフトウェアです。天文画像を読み込み、時間をおいて撮られた画像を比べ、動いたものを見つけ出すコードです。もう一つは観測です。望遠鏡を空の決まった一角に向け、夜ごとにそこにあるものを記録することです。
今のところ、力の大半は前者に注いでいます。
公開された空の画像と、借りた望遠鏡の時間で、同じ空を何度も見つめます。
観測は、決めつけずに待つことの練習です。急がず、夜ごとに空と向き合います。
コードも、記録も、失敗も公開します。見つけたものは、すべての人のものです。
名前について
マルヤムはヘブライ語の名前 מרים です。イエスの母が持っていた名前で、それがギリシャ語へ、ラテン語へと渡り、ヨーロッパの多くの言語で「マリア」になりました。
私たちは、あえて古い形を選びました。それは翻訳された名ではなく、実際に口にされていた名だからです。この名はユダヤ教、キリスト教、イスラム教のいずれでも敬われており、三つの信仰を横断する数少ない名前の一つです。
教会は昔から聖母を「海の星(ステラ・マリス)」と呼んできました。暗い海で船乗りが星を頼りに進むように、迷う人の道しるべとなる方という意味です。星をさがすプロジェクトに、この名ほどふさわしいものはないと考えました。
そして英語で素直に読むと、ある言葉が浮かびます。Mary, I am.(マリア、我はあり)。これは語源ではなく偶然です。けれども良い偶然なので、そのまま残しました。
なぜ教会がこれを行うのか
東方の三博士は星に導かれました。「わたしたちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです」(マタイ 2:2)。その星が何であったにせよ、彗星か、新星か、惑星の会合か、彼らは空を読み、読んだことに従って行動しました。それは迷信ではありません。天文学の始まりです。
教会にはこの分野で長い歴史があり、それは恥ずべきものばかりではありません。
- 16世紀イエズス会の数学者クラヴィウスが、いま世界で使われているグレゴリオ暦の作成で中心的な役割を担いました。
- 16世紀地動説を唱えたコペルニクスは、聖堂参事会員でした。
- 19世紀イエズス会司祭のアンジェロ・セッキは、星を光(スペクトル)で分類した先駆者の一人です。
- 1891年教皇レオ13世がバチカン天文台を正式に設けました。今もアリゾナの暗い空の下で観測を続けています。
- 20世紀宇宙が一点から始まったという考え(のちのビッグバン理論)を最初に唱えたルメートルは、司祭でした。
信仰と観測は対立しません。どちらも同じ行為から始まります。空を見上げること、そして、そこに何があるかをすでに知っていると決めつけないことです。
仕組み
世界中の掃天観測(スカイサーベイ)が、その画像を公開しています。Pan-STARRS、ZTF、SkyMapper。すでに撮影され、すでに公開された、テラバイト単位の空です。
同じ領域を数時間から数日の間隔で撮った画像をそろえ、位置を合わせます。恒星はほとんど動きません。
動いた点は近くにあるもの、私たち自身の太陽系の内側の天体です。
既知の天体のカタログと照合します。大半は一致します。一致しないものは、誤りか、新しい何かです。
この二つを見分けることこそが、問題のすべてです。宇宙線は筋を残します。人工衛星は画面を横切ります。センサーはまったく同じように見える偽の光点を生み出すことがあります。コードはその違いを学ばなければならず、それを書く人間もまた学ばなければなりません。
道のり
- 検出ソフトウェアを書き、公開されているサーベイデータで試す。いまここ
- スペイン、チリ、オーストラリアなどの遠隔望遠鏡の時間を借り、自分たちで依頼した画像に同じコードを走らせる。
- 小惑星センター(Minor Planet Center)に観測所コードを申請する。既知の小惑星の正確な位置を提出し続け、測定が信頼されるまで実績を積む必要がある。数か月かかるが、それを避ける方法はなく、避けるべきでもない。
- そこまでして初めて、発見の報告が受け入れられる。
その後に来るもの
新しい天体には仮符号が与えられます。追跡観測によって軌道が確かめられると、正式な番号が与えられます。そのときになって初めて、発見者は名前を提案する権利を得ます。
その名前は国際天文学連合の小天体命名ワーキンググループに送られます。承認されれば正式名となり、取り消されることはありません。
これはお金で買えるものではありません。星の名前を売る会社もありますが、そうした証書には何の意味もありません。発見こそが唯一の正当な道であり、それは意図的にゆっくりとしたものです。
もしいつか名前を提案できる日が来たら、私たちはそれを祈りのうちに選びたいと願っています。
非営利としての約束
- 星を売りません。天体の名前や発見を、お金と引きかえにすることはありません。
- 隠しません。コードは公開されています。失敗も、成果と並んで記録します。
- 急ぎません。確かめられない「発見」は発表しません。正しい手順を、時間をかけて踏みます。
- 独り占めしません。天文学は、昔からアマチュアが本物の貢献をしてきた分野です。多くの彗星は、専門家ではなかった人々の名を今も持っています。その伝統は、道具が分かち合われ続けることでしか生き残りません。
空をおつくりになった神さま。
今夜も見上げることをゆるしてください。
知っていると思いこまず、待つことを教えてください。
海の星なる聖母マリア、
暗い夜を行くすべての人の道しるべとなってください。
アーメン。
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