制作の裏側と、これから届ける物語 ― 希望王女サンタリアが生まれるまで

要旨
本記事から、更新の日時を毎週日曜日の朝 7 時に定めました。これから先の物語は、その時刻にお届けします。本記事では、希望王女サンタリアが生まれるまでの試行錯誤と、今後公開する新しい章、音楽、イラストについてお伝えします。なお、この記事は一度書きかけた原稿が消え、同じ気持ちで書き直したものです。
経緯
日曜日の朝を選んだのは、一週間で最も静かな入口と考えたためです。予定の入っていない時間に、短くても確かなものが置かれていてほしいと考え、朝 7 時と決めました。日付を先に約束することには怖さもありますが、続けることそのものが希望の形であると考えています。特別な日ではなく、来週も、その次の日曜日も、同じ時刻に灯がともる反復のほうが、誰かの支えになると考えました。
最初にあったのは、物語ではなく、ひとつの願いでした。絶望のただなかにいる誰かのそばに静かに座り、強く励ますのではなく、まだここにいてよいと伝える存在がいてほしいという願いです。それをことばにしようとして、うまくいかない日が続きました。あまりに完璧な救い手にすると遠くなり、等身大にしすぎると希望という言葉が軽くなるため、名前も、姿も、話し方も、何度も書き直しました。
王女という言葉を選んだのは、権威のためではありません。誰かのために立つことを引き受けた人、という意味を託すためです。サンタリアという響きには、贈りものと聖なるものの気配の両方を、かすかに含ませたいと考えました。
制作の裏側では、うまくいかなかったことのほうが多くあります。書き上げた章を翌朝読み返して丸ごと捨てること、音楽の断片と物語の場面が噛み合わないこと、イラストの表情が想像より少し明るすぎることの繰り返しです。特に、これは本当に誰かの役に立つのかと手が止まることが、最も難しい課題です。無償・非営利で届けると決めている以上、売上は背中を押してくれないため、日曜 7 時という約束を自らに課しました。
制作ノートの端に、希望は大きな声で言うと嘘くさくなるので、小さな声で何度も言うしかない、と書いた日があります。物語の調子は、そこで決まりました。派手な奇跡は起きませんが、夜が明けることだけは、毎回きちんと描くと決めています。日曜の朝 7 時の更新は、その夜明けを現実のほうでも起こしてみたいという試みです。
補足
次の章では、サンタリアが助けられなかった相手と再び向き合う場面を描いています。救えたかどうかで人を測らない物語にしたいと考え、最も慎重に進めている章です。この章も、ある日曜日の朝 7 時に公開いたします。
物語と並行して、場面に寄り添う音楽と、静かな色調のイラストを準備しています。音楽は、聴きながら眠れるほどの音量で成立するものを、イラストは線を少なく余白を多くすることを目指しています。読む方の心の中に余地が残るようにという意図です。いずれ、日曜の朝に物語と音楽が同時に届く形をつくる予定です。
この記事も一度は消えましたが、もう一度書けば、また誰かのところへ届きます。物語も同じであり、うまくいかない日をはさみながら、少しずつ途切れさせずに続けてまいります。次の日曜日の朝 7 時に、またお会いしましょう。
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