希望王女サンタリアの今後の制作方針について ― 希望から十字架・祈り・平和へ

要旨
次回の制作から、「神櫻・希望王女サンタリア」において、これまで以上に深く「十字架」「修道」「祈り」「平和」を見つめることを、メンバー内で決定いたしました。これから制作する作品は、2007年から続いてきた「光と希望の芸術」という制作思想の延長線上に位置づけます。天使と希望の物語はこれからも変わらず流れ続けますが、その希望がどこから来るのかを、一歩踏み込んで示してまいります。制作は速いものではないかもしれませんが、急がず、誠実に進めてまいります。
経緯
IBCh では 2007年から現在に至るまで、「天使」「光」「希望」を一貫した制作テーマとしてまいりました。これらは物語を彩る装飾的なモチーフではなく、人が深い暗闇のなかに置かれたときにも失わずにいられる希望、静かに差し込む神聖な光、そして救いと平和を、芸術のかたちで見つめ直すための中心の主題です。これまでの制作では、天使、光、希望、十字架、教会音楽、神聖な芸術、油彩、天上世界、平和、救いといった主題を、絵画と音楽と言葉の三つの側面から積み重ねてまいりました。希望をテーマにした漫画としての表現も、こうした長い時間のなかで少しずつ形を得てきたものです。
現在制作を進めている「神櫻・希望王女サンタリア」は、これまでの歩みをさらに深めるための重要な作品です。しかしながら、現段階でこの作品が十分に「教会的な作品」「祈りを持つ作品」「神聖な芸術」として成立しているとは、まだ申し上げられない状況にあります。物語の外形だけを見れば、キャラクター中心のファンタジー作品、あるいは少女向けの物語として受け取られる可能性があり、それ自体を否定するものではありません。ただし、この作品が本当に伝えたいことは、その先にあります。
- なぜこの作品を制作するのか
- この作品における希望とは何なのか
- 十字架にはどのような意味があるのか
- 祈りと物語はどのように結ばれるのか
これらの問いに、作品そのものが静かに応えられる状態には、まだ至っていません。メンバー内での率直な話し合いのなかで、そのような認識が共有されました。これを受けて、次回からの制作方針を定めました。
補足
十字架は、記号や意匠としてではなく、苦しみと赦し、そして再び立ち上がる力の象徴として、物語の中心に描いてまいります。希望は苦しみの外側にあるのではなく、苦しみを通り抜けた先に現れるものです。十字架と希望の物語は、そのことを静かに語る試みです。
祈りをテーマにした漫画として、劇的な出来事だけでなく、日々の祈り、沈黙、朝と夕の繰り返しといった目立たない時間を丁寧に描いてまいります。修道と祈りの物語が持つ静けさは、派手さこそありませんが、読む方の心に長く残るものと考えております。また、教会をテーマにしたファンタジーとして、聖堂の空間、光の入り方、音楽の響きといった描写を、これまで以上に慎重に扱います。キリスト教をテーマにした漫画として、敬意を欠く表現にならないよう、資料と祈りの両面から確認を重ねてまいります。
希望と祈りの物語として、読んでくださる方がご自身の日々に静かに立ち返れるような作品となるよう、時間をかけて整えてまいります。暗闇のなかで灯る小さな光を、装飾としてではなく、祈りとして描くことを目指します。神櫻・希望王女サンタリアの歩みを、これからも見守っていただけましたら幸いです。
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