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BETLEMME Daily Notes

制作ノート ― 希望王女サンタリアの物語が、ここから始まる

19回視聴2026/10/17(土) 11:20
制作ノート ― 希望王女サンタリアの物語が、ここから始まる

これから、『OKURU- Star of Mary ― ChristmasFantasy』の本格的な制作に入ります。この記事は、その出発点に立つにあたって、私たちがどんな考えで、どんな順番で、何をつくろうとしているのかを書き留めておくための制作ノートです。決まっていないことは決まっていないと書き、まだできていないことは、まだできていないと書きます。それが、旅の途中の記録としていちばん誠実なかたちだと考えるからです。

なぜ漫画・音楽・絵なのか

この作品は、漫画・音楽・絵という三つのかたちで物語を届けます。一つに絞ったほうが効率がよい、と言われることもあります。それでも三つを選んだのには理由があります。

漫画は、物語の時間を運びます。コマからコマへ、ページからページへと目を移すうちに、読む人の中で時間が流れ、登場人物とともに季節を過ごすことができます。

音楽は、言葉にならないものを運びます。悲しみや喜び、祈りの静けさは、ときに台詞よりも一つの旋律のほうがまっすぐに届きます。物語の場面を思い浮かべながら聴いてもいいし、物語を知らないまま、ただ一曲として聴いてもいい。音楽には、作品の入口をいくつも用意してくれる力があります。

絵は、一瞬を運びます。一枚の絵の前で立ち止まる時間は、物語の流れからこぼれ落ちてしまいそうな、大切な一瞬をすくい上げてくれます。

時間、言葉にならないもの、一瞬。この三つがそろったとき、はじめて一つの世界が立ち上がる。私たちはそう考えて、三つのかたちを並行して育てていくことにしました。

希望王女サンタリアという主人公

物語の中心にいるのは、希望王女サンタリアです。その名のとおり、「希望」を名に持つ王女です。

希望という言葉は、ときに軽く聞こえることがあります。明るい言葉は、つらい場所にいる人にとって、かえって遠く感じられることがあるからです。だからこそ私たちは、サンタリアを、悩みのない明るいだけの存在としては描かないつもりです。迷い、立ち止まり、それでも誰かのために手を伸ばす。その姿の中に、ほんとうの意味での希望を描きたいと考えています。

サンタリアがどんな世界に生まれ、誰と出会い、どこへ向かうのか。その詳しい内容は、物語の中で少しずつ明らかにしていきます。ここで先に語りすぎてしまうと、読む楽しみを奪ってしまうからです。ただ一つだけお伝えしておくと、彼女の旅は、ベツレヘムへ向かった博士たちの旅と同じように、一つの光を信じて歩く旅になります。

キャラクター図鑑には、サンタリアをはじめとする登場人物たちを、物語の進み具合に合わせて少しずつ収蔵していく予定です。いまはまだ空いている棚が多いのですが、物語が進むにつれて、一人、また一人とプレートが増えていきます。

物語で描きたい三つのこと

物語の細かな筋立ては、これから本編の中で明らかにしていきます。ここでは、その代わりに、この物語を通して描きたいと考えていることを三つだけ書いておきます。

一つ目は、「待つこと」です。クリスマスの前には、待降節と呼ばれる、待つための季節があります。すぐには叶わないことを、それでも信じて待つ。待つことは、何もしないことではなく、心を整えて、来るべきものを迎える準備をすることです。物語の中でも、すぐには報われない時間を、急がずに描きたいと考えています。

二つ目は、「贈ること」です。作品の名前にある「OKURU」は、贈るという言葉から来ています。贈りものは、ものの大きさや値段ではなく、誰かを思う気持ちによって意味を持ちます。物語の中で交わされる小さな贈りもの。それが人と人をどのように結んでいくのかを描きたいと思っています。

三つ目は、「導かれること」です。博士たちは、一つの星に導かれてベツレヘムへ向かいました。人は自分の力だけで道を見つけられるわけではありません。誰かの言葉や、思いがけない出会いや、夜空の小さな光に導かれて、はじめて進める道があります。サンタリアの旅もまた、何かに導かれ、そして誰かを導く旅になります。

音楽から先に

制作の順番として、私たちは音楽を先に進めてきました。このサイトの「音楽ホーム」には、すでに 111 曲の音源が並んでいます。物語の本編が公開される前から、これだけの曲がそろっているのは、少し不思議に感じられるかもしれません。

けれども私たちにとって、音楽は物語の「下書き」のようなものでした。ある場面を思い浮かべ、その場面にふさわしい音を探す。音が見つかると、今度はその音から、まだ描かれていない場面が浮かんでくる。そうやって、音楽と物語が互いを呼び合いながら、少しずつ世界が形になってきました。

曲のタイトルを見ていただくと、制作した日付が残っているものが多いことに気づかれると思います。2020 年につくった曲もあれば、2026 年につくった曲もあります。「改善」「完成」「途中経過」といった言葉がそのまま付いている曲もあります。完成品だけを選んで並べることもできましたが、私たちはあえて、試行錯誤の跡も残すことにしました。一つの世界が、何年もかけて少しずつ育ってきたこと。その道のりも、作品の一部だと考えているからです。

これからの制作では、物語の本編に合わせて、新しい曲も加えていきます。場面ごとのテーマ曲、登場人物ごとの旋律、そして物語全体を包むメインテーマ。本編と音楽が同じ速さで進んでいく様子を、サイトの中で見ていただけるようにしたいと考えています。

絵とジャケット

音楽の一曲一曲には、ジャケットの絵を添えています。最近、多くの曲のジャケットを、ステンドグラスから光が差し込む礼拝堂の絵に揃えました。色とりどりの光が床に落ちる様子は、この作品が目指している世界の雰囲気を、いちばんよく表していると感じたからです。

今後は、物語の場面や登場人物を描いた絵を、ギャラリーやジャケットに少しずつ加えていきます。漫画の本編とは別に、一枚の絵として味わっていただけるものも描いていく予定です。

一話ができるまで

本編の一話は、いくつかの段階を経て形になっていきます。まず、その話で何を描くのかを短い言葉で決めます。誰が、どこで、何に迷い、何を選ぶのか。一話の芯になる問いを、一行で言えるようになるまで考えます。

次に、コマ割りと台詞の流れを、ラフな下描きで組み立てます。この段階では、何度も描き直します。台詞を削り、コマを入れ替え、ページをめくったときに何が目に入るのかを確かめます。読む人の呼吸に合わせて物語が進むように、ページの「間」を大切にします。

下描きが固まったら、絵を仕上げていきます。線を整え、色を置き、光を描き入れる。この作品では、光の描き方をとくに大切にしています。窓から差し込む光、夜空の星、ろうそくの灯り。光がどこから来て、どこを照らしているのかで、場面の意味が変わるからです。

最後に、その話に合う音楽を選び、必要であれば新しく曲をつくります。「聴きながら読む」ことができるように、場面と音の重なりを確かめてから、ようやく公開します。一話ができるまでには時間がかかりますが、その一つひとつの段階を、これからも丁寧に重ねていきます。

公開の順番と速さ

本編の物語は、準備ができた章から順に公開していきます。いつ、どのくらいの速さで公開できるのかは、正直に言って、まだはっきりとは決まっていません。私たちは小さなチームで制作していますし、一つひとつを丁寧につくりたいと考えているからです。

急いで量を増やすよりも、一話一話を、読む人の心に残るものにしたい。待っていただく時間が長くなることもあるかもしれませんが、そのぶん、公開したものには責任を持ちたいと考えています。新しい章や曲を公開したときは、トップページの「お知らせ」でお伝えします。

サイトの中には、まだ「準備中」と書かれた場所がいくつもあります。準備中の場所を隠すこともできましたが、私たちはあえて、そのまま見えるようにしています。空いている棚は、これから何かが置かれる場所です。棚が一つずつ埋まっていく様子もまた、旅の記録だと考えています。

小さなチームでつくること

この作品は、大きな制作会社ではなく、IHS Bethlehem Church の小さな制作チームでつくっています。物語を考える人、絵を描く人、音をつくる人が、互いの仕事を見ながら少しずつ形にしていきます。

小さなチームであることには、不便もあります。一度にたくさんのものはつくれませんし、思ったより時間がかかることもあります。けれども、小さいからこそ、一つひとつの場面や一曲一曲に、つくり手の目が最後まで行き届きます。量よりも、手ざわりのあるものを。速さよりも、長く残るものを。それが、私たちの選んだつくり方です。

制作の様子は、ときどき「お知らせ」の中で、制作日誌のようなかたちでお伝えしていくつもりです。完成したものだけでなく、つくっている途中の迷いや発見も、旅の記録として残していきます。

星を見る営みと、物語をつくる営み

IHS Bethlehem Church では、作品づくりと並んで、夜空の観測にも取り組んでいます。公開されている天体画像を解析し、まだ誰も見つけていない小惑星や彗星を探す試みです。

観測の仕事は、地味で、根気のいるものです。何枚もの画像を見比べ、動いている点を探し、それが本物の天体なのか、それとも誤りなのかを確かめる。ほとんどの場合、見つかるのはすでに知られている天体か、単なる誤検出です。それでも、見上げることをやめないこと。その姿勢は、物語をつくる営みとよく似ています。

物語もまた、何度も描き直し、確かめ、ほとんどは使われずに終わる試みの積み重ねの上に、ようやく一つの場面が立ち上がります。私たちは、星を探す営みと物語をつくる営みを、同じ一つの祈りの二つのかたちだと考えています。いつか物語の中にも、私たちが実際に見上げた夜空が登場するかもしれません。

読者のみなさんと一緒に

この作品は、つくり手だけで完成するものではないと考えています。読んでくださる方、聴いてくださる方がいて、はじめて物語は生きたものになります。

曲の部屋や記事には、コメントを残すことができます。掲示板では、感想や考察、雑談を自由に交わしていただけます。「創作ひろば」では、作品世界から受け取ったものを、イラストや漫画、音楽などのかたちで投稿することもできます。いただいた言葉や作品は、制作チームがすべて目を通し、これからの制作の大切な手がかりにしていきます。

一方で、静かで温かい場所を守るために、いくつかのお願いもしています。誹謗中傷や荒らし、ほかの人の作品を無断で転載することはご遠慮ください。投稿にはペンネームでのアカウント登録が必要な場所があり、登録は運営が承認する仕組みにしています。少し手間をおかけしますが、誰もが安心して過ごせる場所であるために、ご理解いただけるとうれしいです。

二つの言語で届けること

このサイトは、日本語と英語の二つの言語で公開しています。物語を海の向こうの読者にも届けたいと考えているからです。

翻訳では、言葉を置き換えるだけでなく、その言葉が持つ響きをできるだけ損なわないことを心がけています。たとえば、曲のタイトルにある固有の名前は、意味の近い英語に置き換えたものもあれば、響きを残したものもあります。どちらが正しいということではなく、その名前がその世界でどんな役割を持っているのかを考えながら、一つずつ決めてきました。

漫画の画像の中の文字や歌詞は、原文のまま残しているところがあります。絵と文字が一体になっている部分を無理に置き換えると、作品の手ざわりが変わってしまうことがあるからです。言葉の壁を少しでも低くしながら、作品そのものは変えない。そのバランスを、これからも探っていきます。

私たちが守りたいこと

制作に入るにあたって、私たちが守りたいことを、いくつか書き留めておきます。

一つ目は、作品を売らないことです。この作品は非営利の活動として制作しています。作品を読むこと、聴くこと、眺めることに、お金はかかりません。

二つ目は、静かな時間を守ることです。広告は置きません。作品と向き合う時間に、関係のないものが割り込まないようにします。

三つ目は、誠実に記録することです。できていないことを、できているようには書きません。試作や途中経過も、必要であればそのまま残します。うまくいかなかったことも、隠さずに記録します。

四つ目は、希望を描くことです。明るいだけの物語ではなく、暗さや迷いの中から、それでも立ち上がる光を描きます。読んだ人が、ほんの少しでも明日を信じられるように。それが、この作品をつくるいちばんの理由です。

これからの予定

これから取り組むことを、決まっている範囲でお伝えします。時期については、準備が整ったものから順に、トップページの「お知らせ」でお知らせします。

一つ目は、本編の第一話の公開です。サンタリアの物語の最初の章を、閲覧室で読めるように準備しています。

二つ目は、キャラクター図鑑への収蔵です。物語に登場する人物たちを、展示番号つきのプレートで一人ずつ紹介していきます。

三つ目は、ギャラリーの公開です。過去の作品や習作、物語の場面を描いた絵を、少しずつ展示していきます。

四つ目は、メインテーマをはじめとする新しい曲の制作です。物語の進み具合に合わせて、場面や人物のための曲を加えていきます。

そして、夜空の観測についての記録も、あわせて公開していく予定です。どれも、まだ始まったばかりのことです。一つずつ形になっていく様子を、このサイトで見守っていただけたらうれしいです。

クリスマスに

制作の始まりがクリスマスの季節に重なったのは、偶然ではないのかもしれません。一年でいちばん夜が長い季節に、小さな光を信じて歩き出す。それは、この作品が描こうとしている物語そのものでもあるからです。

これから始まる旅が、どこへ向かうのか。私たち自身にも、まだすべてが見えているわけではありません。けれども、一つの星を信じて歩いた博士たちのように、一歩ずつ進んでいきたいと思います。その道のりを、このサイトでともに見守っていただけたら、これ以上の喜びはありません。

希望王女サンタリアの物語は、ここから始まります。

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